着席30分あとよろ事件
突然来た特急案件の話
入社4年目くらいだっただろうか
私はとある業務パッケージの改修案件に携わっていた。
そんな中、突然特急のヘルプ案件の話が回ってきた。
・求職者向けのwebシステム(Java)の改修
・結合バグ改修をしてほしい
・期間は2週間程度
・毎日定時で良い
大体こんな内容だった気がする。
こんな案件の振られ方、今思えばあとにも先にもこれのみだった。
背景に何があったのか、当時は疑問も持たなかったが、
多分誰かが飛んだかなんかで、Javaできる人をさがしてて、別案件うちの会社にお声がかかったんだろうと思う。
勤務地も同じビルだった。
当時の私は、リーダーの方にこの話をきいて、なんの疑いもなくこの承諾し、翌日から勤務先の2つ下の階へ出勤し始めた。
着席30分であとよろ
案内されると、特に開発者メンバー仲間みたいなのは他おらず、いたのはリーダーぽい人とマネージャーぽい人のみだった。
しかもその2名の席は、私の席から階の端と端といっていいくらい離れていたので
もう実質、孤島だった。
そのリーダーぽい人とから
・zipにかためられたeclipse
・EXCELの結合バグ一覧
を渡され
「じゃあ、…後はよろしくお願い致します🙏」
と言われ、私の作業は始まった。
え、それだけ?w
さすがの私もここは自分の耳を疑った。
導入フォロー最短記録更新だった。
色々と変わった現場は見てきたが、導入は嘘でももう少しは説明してくれるものだが、そんな常識ここでは通じなかった。
それでも当時の私は、そもそも自分に価値なんてあると思ってもいなかったし与えられた仕事をこなすだけと思い
わっかりました!!
そう言ってとりあえずeclipseを解凍して動作確認することから始めた。
誰がこんなサイトで転職すんねん
幸いにも意外と普通にローカルで画面を立ち上げることが出来た。
確かに落ちることなく画面遷移はできるたものよ、バグ票に書いているのは
値が違うだの
計算が合わないだの
なぜか初期化されるだの
普通に単体レベルのバグがほとんどだった。
一応バグ票に「あるべき姿」は書いてあったので
それに即すように改修を続けていった。
ただ、そのあるべき姿ってのに近づけると
明らかに他の画面との矛盾が起きたり
別の改修箇所が見つかったりの連続で
一歩進んで2歩下がるの繰り返し。
そもそも転職サイト?みたいなサイトだったのだが、死んでもこのサイトで転職はしたくないと私は思っていた。
それでもひたすら原因を調べて
コーディングし続けるのは正直ちょっと楽しかった。
闇のタク代5千円
そんな中、一つどうしても解決できないバグにぶち当たった。
※あまり覚えていないが、多分参照渡しとかを私が十分に理解できていないことで解決ができなかったことのような気がする。
当日中にどうしてもこのバグは解決してほしかったらしく
定時退社の約束を無視して「なにとぞ🙏」されたので
私は残ってバクの対応をした。
(上司からもあとから「え?話ちがくね?」といわれたけど笑ってごまかした)
私も多分自分のスキルがもっとあれば解決できたことのような気がなんとなくしたのもあって
容認して作業を続けた。
しかしどうしても解決ができなかった。
エレガントでなくてもよくて、強引なやり方でもいいからなんとかしてくれと言われ
そうであればあと1〜2時間あればできる。
そう提案したときはすでに夜24時くらいだった。
本当にどうしても解決してほしかったのか
マネージャーらしき人が、
タクシー代は出しますんで🙏と言ってきた。
本当今思えばもうちょい「いやいや」とか引いても良かった気がするがまたしても
わっかりました!!
と言って深夜2時くらいまで作業を続けたのであった。
なんとか深夜まで対応し、事象を解決することができた。
現場にはもう誰一人残っている人はいなかった気がする。
タク代盛っても良かったなと今になって思う
そして私は初めて現場からタクシーで帰宅をし、
深夜のタクシーは鬼のように飛ばすんだなぁ
ということを知り、ひとつ大人になりながら自宅にたどり着いた。
翌日、バグが解決した旨と、
タク代が「✋(五千円)」これだけかかりましたと伝えると
マネージャーらしき人が完全なるプライベートなお財布からスッと一枚のお札を置いていった。
そしてその数日後、この案件からはおさらばとなった。
なんだかんだコーディングを沢山できたのと
よほど前のエンジニアが酷かったのか、すごい感謝をされたので
個人的には楽しかったので
上司に「あそこまた行きたいです」なんて言ってみたけど
「儲からないから」の一言で一蹴された。
この転職サイトはいつリリースされたのだろうと
あれから何度か検索してみたが、未だに見つけることはできていない。。